最期の看取りまで、丁寧に。チームで質の高い訪問看護を実現する管理者の仕事術

最期の看取りまで、丁寧に。チームで質の高い訪問看護を実現する管理者の仕事術

訪問看護は基本的に一人でお客様先へ伺いますが、決して常に孤独なわけではありません。各ステーションには管理者をはじめ、喜びや悲しみを分かち合える仲間たちがいます。

今回は、最近、社内表彰でMVTを獲得したステーション大垣の管理者・Oさんにインタビュー。ステーション内の雰囲気や、普段からどんなチームづくりを心がけているかなどを中心にお聞きしました。

(※記事の内容は2021年10月取材当時のものです。)

<プロフィール>

■O.Mさん/看護師・管理者/ステーション大垣勤務

大規模病院の急性期病棟で看護師として働くも、出産を機に専業主婦に。子どもが3歳のときに職場復帰し、その後は学生時代の担任から誘われて教員になる。8年間勤める中で、父の死への直面をキッカケに訪問看護の道へ。2021年、リファラル(社員紹介)採用でソフィアメディに入職。訪問看護師5年目の現在、ステーション大垣で管理者として活躍中。多趣味でとても明るい性格。

「お客様本位」の看護を求め、ソフィアメディへ

──ソフィアメディに来たきっかけは、リファラルだったというOさん。当時のお話を聞かせてください。

Oさん:私が前職の訪問看護ステーションで管理者になった頃、同時期にソフィアメディで管理者になったTさん(ステーション岐阜管理者Tさんの記事はこちら)と、共通の友人を介して出会ったのがきっかけです。

お互いに管理者1年目で試行錯誤している話や、「こんなことやりたいよね」という話をしていくうちに、だんだん私の中でモヤモヤが募っていきまして…。

というのも、当時は終末期のお客様の受け入れが少なく、自分の想う相手の人生に寄り添った看護ができず自分の無力さを感じていました。

そんな私の心情を知ったTさんがある日、ソフィアメディの人事の方とお話しする機会を作ってくださいました。話していくうちに「自分が今本当にやりたいことを、ここなら実現できるかもしれない」と思い始め、そこからトントン拍子で事が進みました。

──ご自身が「本当にやりたかったこと」とは何ですか?

Oさん:シンプルに言うと、「お客様本位」の看護です。私たち訪問看護師がどうしたいかではなく、お客様がどうしたいかを軸に動ける環境で働きたいと思っていました。

だから、ソフィアメディが掲げるVision・Mission・Spiritsを「これが私の求めていたものだ」とすんなり受け入れられたのだと思います。

看取りまで、丁寧に。お客様からの「ありがとう」が最高の財産

ステーション大垣のみなさん
──実際にソフィアメディで働き始めてみて、どのように感じていらっしゃいますか?

Oさん:今まではずっと一人で戦っている感覚でした。でもソフィアメディという会社は、目の前のお客様はもちろん、現場で働くスタッフのこともとても大事にしてくれます。後方支援の皆さんのサポートも本当に素晴らしくて、今も感謝・感動しっぱなしの日々です。

訪問看護の仕事に関して今では、お看取りまでしっかり携わらせていただく機会が増えました。ご家族から「本当にソフィアメディさんでよかった」「最後までありがとう」などのお言葉をいただき、「ああ、訪問看護をやっていてよかった!」と心から思える瞬間も多々あります。私は人と接することがとても好きなので、それを仕事にできていることが今、本当に幸せです。

──「やりたかったこと」は実現できましたか?

Oさん:はい。私が今管理者をしているステーション大垣は末期がんのお客様も多いのですが、中重度のお客様を受け入られるだけの組織やチーム力があることに、とても感謝しています。夜間にオンコールがあっても「私、行きます!」という意欲の高いスタッフばかりで、緊急対応もスピーディー。お客様からも「ソフィアメディさんは本当にすぐ来てくれる」と安心の声をいただいています。

以前、夜間の緊急の呼び出しが多かった、30代の末期がんのお客様がいらっしゃいました。その方が亡くなる2日前、意識が朦朧とする中で「最後の最後まで、あなたたちのおかげで不安がなかったの」と話してくださって。自分たちの仕事の意義を、本当に強く感じた瞬間でしたね。

また、遺言書にうちのスタッフのことを書いてくださったお客様もいました。ご家族の名前が並ぶ中にスタッフの名前もあり、「本当にありがとう」と書かれていて。ケアマネジャーさんからそれを見せていただいたとき、スタッフ本人も泣いていました。

他にも、「外の景色が見たい」というお客様の希望を叶えようと、亡くなる2週間前に福祉用具会社の方を呼んでベッドにキャリーをつけてもらい、外が見える位置にベッドを動かした話。80代の末期がんのお客様とスタッフが外出支援で一緒に喫茶店へ出かけ、お茶をして記念に写真を撮ってきた話。そんなエピソードが、まだまだたくさんあります。

まずは自分が楽しむ。笑顔が絶えないステーション運営の秘訣

──ステーション大垣は、どんな雰囲気ですか?

Oさん:常にみんなが笑っている、明るいステーションです。休憩中は本当に他愛のない話で盛り上がっていますよ。また、ステーション内のイスは半数がバランスボール。中重度のお客様が多く、腰の痛みを訴えるスタッフが出てきたので、腰痛対策として導入しました。

私は今管理者をしていますが、何事も「自分が楽しくないとイヤ!」というタイプでして(笑)。まずは自分が仕事を楽しみ、その楽しさを周りに伝えていくことを、日々意識しています。

――素敵ですね。他にもチームづくりで心がけていることはありますか?

Oさん:ステーションでは笑顔を絶やさない、誰よりも挨拶をしっかりする、といった基本の姿勢を大切にしています。

また、スタッフとコミュニケーションを取る機会を増やすために、誰かのお誕生日にはみんなでケーキを食べるなど、何かにつけてお祝いをしていますね(笑)。先日も、ステーションで初めて会社のMVPをいただいたので、みんなでそのお祝いをしました!

それから、うちのステーションには「親睦係」がいて、お客様の誕生日に色紙を作ってメッセージを贈っているのですが、スタッフ向けにも誕生日会を企画してもらってみんなでケーキを食べたり、ステーション内での交流会を開催してくれたりしています。

▲感染対策をしながらステーション内での交流会を行いました
――微笑ましい取り組みですね。そのプレゼントはお客様からも好評ですか?

Oさん:はい!事前にお客様のお写真を撮り、関わっているスタッフ全員がメッセージを書くのですが、泣いて喜んでくださる方もいらっしゃいます。ご病気になると写真を撮る機会も減るので、「ご夫婦で並んでください〜!」なんて言いながら楽しく撮影して。「新婚以来や!」と照れながら応じてくださった写真が、訪問に行くたびにお部屋の中に飾られているのを目にすると、とても嬉しくなります。

褒めて伸ばし、スタッフのやる気を引き出す。夢は「関わる全員を笑顔にすること」

――社内では「Oさんは思ったことを相手に合わせて伝えるのが上手」と聞いています。それが円滑なチーム運営の鍵でしょうか?

Oさん:それは訪問看護師になる前に教員をしていた8年間で身についたスキルですね。相手が何を考えているかを想像し、自分の考えは絶対に押し付けない。これがすべてにおける成功の秘訣だと思っています。

また、「スタッフをやる気にさせるのが上手い」と言われることもありますが、それも教員時代の賜物です。やっぱり、褒められるのがイヤな人はいませんよね。もちろん本人には改善点もしっかり伝えますが、その上で「でも、ここはできていたよね。次はもっとこうできるようになろうね」と伝えるようにしています。

――最後に、今後の目標を教えてください。

Oさん:関わる人みんなを元気にしたいです。実は私、空手の有段者でもありまして、人よりメンタルが強いほうで(笑)。それをどう活かせるかと考えたら、何事もポジティブに捉え、周りのみんなを元気にすることかなと。ざっくりとした夢ですが、私の周りに笑っている人が増えたらいいなと思っています。

そのためには管理者として、まずはスタッフ全員を笑顔にし、その先にいるお客様を笑顔にする。それが今の目標ですかね。また、最近は他のステーションを支援する業務にも関わらせていただけるようになり、管理者同士の横のつながりもできてきたので、笑顔の輪をもっと地域にも広げていけたらなと思っています。