ソフィアメディで働く私たちが大切にする行動指針(5 SPIRITS)のひとつに「仲間を認め、おせっかい、お人好しの精神で支え合う。」というものがあります。それをまさしく体現しているのがステーションセンター北に勤める理学療法士のMさん。入職当初、先輩Fさんから教わった“一緒に働く仲間を大切にする”ということを意識し、日々チーム内で気持ちや意志の共有をしています。Fさんとの思い出やそこから学んだこと、そしてチームづくりについてお話を伺いました。
<プロフィール>
■M.Dさん/理学療法士/ステーションセンター北
野球部時代、自身のケガからリハビリを経験。その際、担当だった理学療法士に憧れ、その病院で一緒に働くことを目指す。新卒で病院に就職し急性期・外来でのリハビリを経験。その後、フィットネスクラブ、通所介護施設を経て、2016年にソフィアメディへ入職。新規開設のステーション西馬込、高井戸にて経験を積み、2021年5月に今までの経験を活かし、ステーションセンター北の立ち上げを支える。趣味は野球、ゴルフ、キャンプと自然を楽しむことだが、コロナ禍の今はゲーム「どうぶつの森」で自然に触れている。
1つのキッカケが新たなキャリアへの道をつくる
──理学療法士を目指したキッカケを教えてください。
Mさん:ありきたりですが、学生時代のリハビリがキッカケになります。野球部のときにケガを経験して、スポーツ障害のリハビリで有名な地元の総合病院に通っていました。
その時に担当してくださった理学療法士に憧れて「この仕事いいな、自分もここで働きたい」と思い、理学療法士を目指しました。ちなみに、資格を取ってから無事にその病院に就職することができました。
──ご自身が理学療法士を目指すキッカケとなった思い入れのある病院から、フィットネス業界に転職されたんですね。
Mさん:私が勤めていた病院ではスポーツ障害のリハビリに力を入れていて、部活動に励む学生たちの競技復帰や再発予防、パフォーマンス向上に関わらせていただいていました。また、個人的にも小学生から高校生までの野球部の子たちに動作指導やケガの予防などを指導するボランティア活動をしていました。
でも、学生だけじゃなくて、もっと幅広い年代の方に向けてスポーツを通した楽しさや生きがいのサポートをしたいと思うようになりました。そこで『アディダス パフォーマンス トレーニング』という資格を取り、スポーツクラブやリハビリ特化型デイサービス施設を運営する会社に転職をしました。
──今までスポーツに関わる方のサポートを主にされてきましたが、訪問看護の道を選ばれたのはどのような理由からですか?
Mさん:デイサービスに勤めているとき、ある利用者さんが「デイサービスでは運動ができるのに、家だとそれができないんだよね」と仰っていたんです。ご自身でも簡単にできる自主トレーニングをお伝えしていたんですが、ご自宅ではお一人となってしまうためなかなか習慣化することが難しいようなんですね。その時に、利用者さんが暮らす家の中で一緒に関わることができれば何か変えられるかもしれない、と思ったのが訪問看護に興味を持ったキッカケですね。
──もともとはご自身のケガから理学療法士を目指したのに、キッカケ一つで働く場所がガラッと変わってきたんですね。
Mさん:恥ずかしながら影響を受けやすい性格で、テレビの影響とかもすぐ受けちゃいます。『鬼滅の刃』の映画を見たときも、煉獄杏寿郎というキャラクターがいて「心を燃やせ」というセリフがあるんですが、それを聞いてぼくも心を燃やさなきゃ!ってモチベーション上げてました(笑)
ただ、在宅や訪問看護の領域についてあまり知らなかったので、そういったキッカケがなかったら今ソフィアメディで働いていないと思うと、本当にありがたい偶然ですね。
新たなステーションの立ち上げ。苦楽を経て、三度目の挑戦
──ソフィアメディに入職されて5年経ちますが、どのような経験をされてきたんですか?
Mさん:今まで3つのステーションで働いてきました。はじめはステーション西馬込、次は高井戸、そしてセンター北になります。3ヵ所ともステーションが新規開設となるタイミングでした。
──はじめての訪問看護だったかと思いますが、新規開設ステーションでのスタートに不安はなかったんですか?
Mさん:訪問看護のことすら知らないなか、地域との関わりを作るためにケアマネジャーさんに挨拶まわりをさせていただいたのですが、不安でビクビクしていました(笑)。
でも、西馬込で出会った先輩理学療法士のFさんが訪問看護の基本からコミュニケーションの取り方までいろいろ教えてくれて。「お前のやってきた経験を活かして、どんどんやれば大丈夫」と応援していただき、自信を持って働くことができました。
──Fさんのもとでステーションの新規開設に携わり、訪問看護やステーション運営について深く学ぶことができたんですね。
Mさん:そうですね。その後、前社長から新しく365対応で開設するステーション高井戸で働いてみないか、とお誘いを受けて2019年に高井戸に異動をしました。
そこでは、リハビリ主任として訪問業務だけでなくステーションの運営やチームづくりにも携わらせていただきました。
でも、あの時の自分はまだまだ未熟で、主任としてしっかりと結果を出すことができなくて…。高井戸のスタッフには助けてもらうことばかりで、後悔や反省の思い出が多いですね。
──そして今は3ヵ所目となる新規開設ステーションでチームづくりをされているんですね。
Mさん:今まで西馬込、高井戸で得た新規開設の経験を活かしたいと思ったので、自分からセンター北の開設に携わりたいと手を挙げました。センター北のスタッフは訪問看護の経験がまだ浅いため、訪問に関わる業務全般の指導が自分の役割になります。
そのためのOJTはもちろんですが、お互いの考えや想いを共有することを大切にしています。「なぜソフィアメディで働くのか?」「センター北で何を成し遂げたいのか?」を一人ひとり確認し、そのためには「具体的に何をしたらいいのか」、「お客様のためにできることは何か」を話し合うようにしています。
影響力の伝搬。憧れから実践者へ
──尊敬するFさんから色々な影響を受けられているとのことですが、具体的にはどんなことを教わったんですか?
Mさん:お客様のことを大切に想うのは当たり前のことですが、一緒に働くスタッフのことも大切にするということ。自分たちが“大切にされている”という安心を感じることで、それをお客様に還元することができる、ということを教えていただきました。
だから、あの頃のチームの仲の良さはソフィアメディ内でも結構有名で(笑)。
──そんなに良い関係のチームだったんですね。具体的にどんなエピソードがありますか?
Mさん:あの頃はまだ新型コロナウイルスもなかったので、毎月五反田にある本社で各ステーションの管理者さんが講師となり、社内の看護師・セラピスト向けの勉強会があったんですよ。それが終わってからスタッフ同士で飲み会に行くというのがお決まりでした。
あと、一度だけ西馬込スタッフとFさんの家族でディズニーランドに行ったこともあります。Fさんが「こういう機会ってそうそうあるものじゃないんだから。少人数のチームだからこそ、みんなで結束してやっていこうよ」って仰ってくださって。おかげで毎日仕事に行くのが楽しくて、みんなに早く会いたいなぁって思いながら働いていました。
──では、今いるセンター北はどんなチームですか?
Mさん:お互いの考えや想いを共有するためには、信頼できる関係でいられることが大切だと思っています。他のスタッフよりぼくの方が訪問看護の経験もソフィアメディでの社歴も長いけれど、対等に話ができるようフランクな関係を意識しています。
あまり上下関係を意識し過ぎないように名前を呼び合ったり、業務以外の何気ない雑談をするようにしています。お互い休日に何をして過ごすかで盛り上がった時には、「明日何するの?」「バイクでツーリングに行ってきます」「おぉ、じゃあ気をつけて行ってきてね」みたいな(笑) 立場や経験数などを気にせず誰とでも分け隔てなく関わることができる良いチームですね。
──コロナ禍でなかなか集まったりすることが難しいですが、どのように交流をされているのですか?
Mさん:夕方、訪問から帰ってきてから、その日の出来事とか仕事の相談をみんなでよくするのですが、ついつい盛り上がり過ぎて、業務時間が終わっても続けていると管理者から「もう帰る時間だよ」と言われてしまうことがありますね。みんな仕事が好きというか、人が好きなんだなぁって。
──チームの仲の良さが伝わってきますね!
Mさん:個人的にはチームとの距離感は大事にしています。誰か一人だけがリーダーシップを発揮したり、コミュニケーションが偏ることなく、誰が抜けてもその関係が崩れないようにするためにそれぞれがに繋がりあう。そのためには日頃のコミュニケーションが大切だと思っていますし、チームのみんなにも伝えてますね。「いつでも気軽に話し合おう」って。
ご自身のことを「影響を受けやすい性格」と話すMさん。目の前の課題に対して「もっとこうしたい」というキッカケから病院、フィットネスクラブ、通所介護施設、訪問看護と大きくキャリアチェンジされてきました。訪問看護未経験ながらソフィアメディに入職し、先輩Fさんのもとで訪問看護の基本を学び成長していきました。なかでも大きく影響を受けたのは『自分たちが“大切にされている”という安心を感じることで、それをお客様に還元することができる』という考え方。仲間のことを大切に想い、行動する姿はまるで尊敬しているFさんのようでした。Fさんから受けた影響がMさんに、そして次の世代へとこうして受け継がれていくのかもしれません。
[取材・文]岡田紘平 [写真]ご本人提供