訪問看護ステーションで働く医療事務の業務内容とそのやりがい

訪問看護ステーションで働く医療事務の業務内容とそのやりがい

病院では様々な役割を持つ医療職が働いています。こうした異なる役割の医療職が連携・協働し、それぞれの専門スキルを発揮しながら患者様のケアを行っていくことを「チーム医療」といいます。

では、訪問看護の場合はどうでしょうか。実際にお客様を訪問する看護師、セラピスト。そしてお客様のご家族や担当の医師、ケアマネジャーがチームの一員として挙げられるのではないでしょうか。しかし、そこで忘れてはならないのが医療事務の存在です。お客様と直接対面で関わることはありませんが、いつでも安心と温かさをお届けできるよう、電話対応や直接訪問するスタッフのサポートでチームを支える縁の下の力持ちです。

しかし、一緒に仕事をしていても、医療事務の方が日々どんな業務をされているか、サポートをしてくださっているのか知らないこともたくさんあります。今回、ステーション射水の医療事務Hさんに業務内容ややりがいについてお話を伺いました。

(※記事の内容は2022年2月取材当時のものです)

<プロフィール>

■H.Hさん/医療事務/ステーション射水勤務

富山県射水市出身。幼い頃から医療職に興味があり看護師を志すものの断念。アパレル業界に就職するが、医療職への想いが捨てきれず医療事務の資格を取得。クリニックで医療事務を5年経験した後、ステーション射水に入職。訪問看護での医療事務は未経験ながら、ステーション射水の開設から尽力される。趣味は旅行。国内で1番好きな場所は京都。

アパレル業界を経て、医療事務の道へ

──ソフィアメディに入職される前から医療事務のお仕事をなさっていたんですか?

Hさん:ソフィアメディに入職する前はクリニックで医療事務をしていました。でも、その前は全然違う仕事で、洋服の販売をしていました(笑)。

──全くジャンルの違うお仕事だったんですね。そこから医療事務を目指されたキッカケは何だったんですか?

Hさん:もともとは看護師になりたくて、医療現場で活躍する姿に憧れて私もそうなりたいと思っていました。でも、看護師の勤務体制を考えると、自分には体力的に仕事をこなす自信がなくて諦めました。

それでアパレル業界を選んだのですが、1日の大半が立ち仕事で洋服を畳んだり、運んだりとかなりの肉体労働でした。体力的に辛い部分が多くなってきて転職を考え始めたときに、前々から憧れていた医療職がやっぱりいいな、と思って医療事務を目指しました。

──クリニックで医療事務を5年間経験された後、ソフィアメディに入職されますが新規開設ステーションへの配属だったんですね。

Hさん:そうなんです。レセプト請求や提出期限などはクリニックとだいたい同じなので、その辺りはスムーズに覚えることができました。でも、私が勤めていたクリニックとは異なり、訪問看護では介護保険の取り扱いもあるので、そこの違いに慣れるまで時間がかかりました。

それからクリニックでは同じフロアに医療事務が何人かいましたが、今の訪問看護ステーションでは医療事務が基本的に一人しかいないので、何かあった時どうしようという不安がすごく大きかったですね。今でもその不安はありますが、周りの看護師さんやセラピストさんたちが気遣ってくださり、それが一番心の支えになっています。

──他にも訪問看護に転職されてからの新しい経験はありましたか?

Hさん:クリニックの時も電話対応をしていて、患者様からのお問い合わせや確認が多かったのですが、今はケアマネジャーさんからの電話が多いですね。電話で訪問看護の依頼や相談をいただくというのは、訪問看護ならではと思っています。

──訪問看護での医療事務は初めてとのことですが、どのように業務を覚えていかれたんですか?

Hさん:東京の五反田にある本社から富山県射水市はかなり距離が離れているので、遠隔で色々なサポートをしていただきました。慣れない訪問看護の制度や加算に関しては、わかりやすくまとめられた資料を共有していただき、日々それを確認しながら作業を進めています。

また、入職して初めの一ヵ月間は毎日本社の医事グループの方とZoomを繋ぎながら、業務内容を一つ一つ教えてもらえたのですごく助かりました。医事グループと各ステーションの医療事務が参加しているグループチャットもあって、何か困った時にはそこで質問をすることができたので、医療事務が一人しかいない不安はかなり解消できました。

レセプト請求、他職種連携、備品の管理…ステーションの隅々まで管理する

──医療事務の業務内容について伺ってもよろしいですか?

Hさん:一ヶ月の中でやらなければいけないことが色々あります。月初は主にレセプト請求に関する作業をします。前月に行った訪問看護サービスの実績を確定し、それをケアマネジャーさんに送ります。ケアマネジャーさんから確認のお返事をいただき、電子カルテに入力。そして、お客様にお渡しする領収書・請求書を印刷して、お客様のところに訪問するスタッフの方にお渡しする、という流れになります。この作業の期限が10日までになります。

その次は、お客様の訪問看護計画書・報告書をそれぞれ担当のケアマネジャーさんに送ったり、売り上げ報告書を本社の医事グループと確認しながら作成する。これがだいたい20日までに行う作業になります。

それ以降は、スタッフの勤務日数や訪問スケジュールの確認、お客様の指示書の内容や書類の期限を確認し、期限が切れそうなものは医療機関に作成の依頼連絡をします。

その他、ステーション内にある備品の在庫を確認し、不足しているものは発注。新入社員の方が入られる際には制服や備品の準備をするなどをしています。

──一ヶ月のなかでこんなに色々なことをやられているんですね。

Hさん:そうですね。でも、毎月やることはだいたい同じなので繰り返しているうちに慣れていきますね。一人でやらなきゃいけないからこそ、自分で仕事の段取りを決められる部分もあるので、スケジュール管理が得意な人には向いているかもしれません。

──一人だからこそのメリットもあるんですね。他にも訪問看護での医療事務が向いている人の特徴はありますか?

Hさん:スケジュール管理以外だと、自分の感情やキャパシティを管理できる人でしょうか?色々なことを同時に進めながら、それぞれ期限の管理をしなければいけないので、自分自身がどれだけ余裕を持っていられるかはすごく重要だと思います。

──その辺り、どのように管理されていますか?

Hさん:ちゃんと管理できているのか自分でも自信はありませんが、思っていることや感じていることはため込まないようにしています。ステーションのみなさんが思ったことを言いやすい環境にしてくださっているので、その都度モヤモヤを吐き出せるというのも自分の感情を管理する方法の一つなのかなって思います。

「いってらっしゃい」「おかえりなさい」の挨拶でスタッフに安心感を

──仕事のやりがいを教えてください

Hさん:クリニックの時と違い、お客様と直接お会いする機会はないのですが、看護師さんやセラピストさんたちが頑張っている姿を直に感じることができるところです。それを見ていて「自分も頑張ろう!」って思えるので。

──たしかに訪問看護ではスタッフのみなさんと関わる機会が増えますよね。

Hさん:スタッフのみなさんが色々と気遣ってくださるので、本当に働きやすい環境だなぁって感じています。

──素敵なステーションですね!Hさん自身も環境づくりで心がけていることはありますか?

Hさん:すごく当たり前のことかもしれませんが、スタッフのみなさんが訪問に行かれるときには「いってらっしゃい」、訪問から帰って来られたときは「おかえりなさい」の挨拶はしっかり顔を見ながらするように心がけています。レセプトの提出期限が迫っていて焦っている時や気持ち的にイライラしている時でも、必ず顔を見ながらという部分は大切にしていますね。

──そんな温かい声かけがあると、安心して訪問から帰ってくることができますね。

Hさん:それから、これも当たり前になってしまいますが、スタッフのみなさんからの相談や悩みごとなどは率先して伺うようにしています。みなさんが頑張って訪問に行かれる姿を日々見ているので、いつでも「私でよければ聞かせてください」という気持ちでいます。

──訪問中のエピソードを伺うこともありますか?

Hさん:看護師さんに「お客様から『いつも訪問に来てくれてありがとう』と言ってもらえました」という話を聞いた時は、私まで達成感を感じさせていただき、嬉しくなりました。

お客様に直接お会いして、関わらせていただく機会はありませんが、スタッフのみなさんを通して一緒に向き合うことができるのが私のやりがいになっています。

スタッフからも「Hさんは聞き上手」と評判。ステーション射水では、日々様々な話題が飛び交うらしいのですが、Hさんがスタッフ同士の話題をそれぞれキャッチして、つなげてくれたりと“ハブ”のような役割を果たしているようです。スタッフが訪問からモヤモヤを抱えながらステーションに帰ってきた際も、Hさんが真っ先にそれを聞いてくれるとのこと。それは、もともと看護師に憧れを抱いていたHさんのホスピタリティあってこそ成せる技なのかもしれません。

[取材・文]岡田紘平 [撮影]小田

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