ソフィアメディは今、約10,000人のお客様とおつきあいがあります。10,000通りの「生きる」があり、10,000通りの「看る」があります。ソフィアメディのスタッフは“「生きる」を看る。”をどう捉え、お客様と接しているのでしょうか?それぞれの訪問看護に対する想いをご紹介します。
※こちらは2021年3月発行の社内報内インタビューを転載したものです。
〈今回私の“「生きる」を看る。”を話してくれた人〉
ステーション堺中央 管理者(取材当時:ステーションひゅっぐりー 看護師)
K.Yさん
その方が見ている世界を理解できるように
私は小学校2年生の時に祖父を亡くしたことがきっかけで看護師になりました。幼心に人が亡くなることに怖さを感じ、同時にとても後悔して、「人はみんな必ず亡くなる。だからこそ最期に少しでも良い人生だったと思えるような手助けがしたい。」と思ったんです。そんな幼少期の体験をもとに看護師になった私は緩和ケアを深く学びました。
以前勤務していた病院の緩和ケア病棟では、年間200名程度のお看取りをしていました。ただ、その時に緩和ケア病棟に辿り着ける方は一握りしかいないということを知り、もっと早期から住み慣れた家で質の高いケアを提供したいと考えソフィアに入職しました。
最初に担当をしたのはがん終末期の方。そこで、改めて多職種の方々との連携があって在宅療養が成り立つということを実感しました。特に病院勤務のときには見えにくかったケアマネジャーやヘルパーの方々の仕事を目の当たりにして。それぞれの職種が自分の専門性に対する責任を持ち適材適所で役割分担をすることが大切だと感じました。
私はがん性疼痛看護認定看護師として自分の役割を果たして、私が難しいところは他の専門職の方々と力を合わせてみんなで包括的に支援することで落ち着いてお看取りができると思っています。私たちがどれほど頑張ってもいつか人は亡くなるという事実は変わりません。でも、私が関わることでお客様の残された時間が少しでも有意義なものになってほしいと思うし、少しでもお客様や残されるご家族に納得できる時間を過ごして頂きたいと思っています。
良いお看取りをするのではなく、生を最期まで全うするお手伝い、「生き抜く」ためのケアを提供したいと考えています。これが私にとっての“「生きる」を看る。” であり、日々のモチベーションです。
「自分以外の人格をケアするには、私はその人とその人の世界をまるで自分がその人になったように理解できなければならない。」これは『ケアの本質』という書籍の好きな一文です。
ケアするときには「私だったらどうしたいか?」ではなく「私がその人になってどうしたいか?」という相手本位の視点が大切だということです。また、それと同時に「看護師としての私は何ができるか?」と考える専門職としての視点、この両方を常に意識しています。
自分ひとりで出来ることは限られているので、今後は私自身がロールモデルとなり、同じ志を持ってケアする方を増やすことが目標です。これまでの経験を活かして人材育成などにも積極的に携わりながら、より多くの在宅療養を支えていきたいと思います。