ソフィアメディは今、約10,000人のお客様とおつきあいがあります。10,000通りの「生きる」があり、10,000通りの「看る」があります。ソフィアメディのスタッフは“「生きる」を看る。”をどう捉え、お客様と接しているのでしょうか?それぞれの訪問看護に対する想いをご紹介します。
※こちらは2021年1月発行の社内報内インタビューを転載したものです。
〈今回私の“「生きる」を看る。”を話してくれた人〉
ステーション下井草 看護師
F.Yさん
ソフィアで初めての新型コロナウイルス陽性のお客様を受け入れ
2020年6月にステーション三鷹からステーション下井草に異動した直後に、新型コロナウィルス陽性の方の受け入れのお話がありました。心不全で入退院を繰り返している90代の方で、感染の症状は出ていませんでしたが、陽性判定が続いていました。病院ではご家族も面会ができずにモニター越しに見守り声をかけるだけ、残された時間はあと何日か、という状態でしたが、このままではお看取りもできないという状況でした。
ステーション下井草の管理者さんから受け入れ依頼の話を聞いたとき、まずその状況をなんとかしたいと思いました。そして受け入れる事でお客様やご家族、地域の役に立てるだけでなく、ステーションの成長の機会にもなると思いました。また異動した直後で定期訪問の少ない私がするべきだと思い、担当させていただくことになりました。
訪問は、契約の翌日から9日間でした。ご家族は受け入れ先がなくても連れて帰るとの覚悟をお持ちだったのもあり、ご本人様のために何かしたいという思いが強く、すごく緊張されていました。そこで、自分の中で緊急度・重要度とケアの難易度を軸にした4象限の図から必要なケアを整理し、看護師が行う事、ご家族にしていただきたい事、していただいて大丈夫な事、後々の想い出となりそうな事、の順番でお伝えし、家で一緒に過ごす方法を伝えることでご家族にもリラックスしていただけるように努めました。そして最期の瞬間までご家族全員で付き添っていただきました。
病院勤務の頃、私がいた病棟はがんの患者様が多く、お看取りも多くありました。肝移植の方など、医療倫理として最期の1秒まで諦めてはいけないという症例もありました。その中で、「病院は戦う所、家は生きる所」という意識が芽生えました。
だからこそ在宅では、生きる場所での日常が少しでも良くなるささやかなサポートを大事にしたいと思っています。自分が関わることによって、お客様の日常が少しでも良くなったとき、とても嬉しく思います。
そして日常を良くするサポートの延長が、生きている場所で生き終わるまでの「地続きのケア」だと考えています。また、お客様が旅立たれた先にもご家族の人生は続いていく事を忘れずに、ともに大切にしたいと思っています。
受け入れをしたお客様のご家族から、沢山の感謝を伝えていただき、これからの支えとなる大切な言葉を貰いました。大変なことも多いですが、看護師の仕事は好きです。今後は、創傷管理の特定資格を取ることを考えています。もっと知識と技術を身につけて、それをチームの皆さんに共有することで、少しでも多くの方の日常を良くするお手伝いをしたいと思います。