ソフィアメディは今、約10,000人のお客様とおつきあいがあります。10,000通りの「生きる」があり、10,000通りの「看る」があります。ソフィアメディのスタッフは“「生きる」を看る。”をどう捉え、お客様と接しているのでしょうか?それぞれの訪問看護に対する想いをご紹介します。
※こちらは2019年9月発行の社内報内インタビューを転載したものです。
〈今回私の“「生きる」を看る。”を話してくれた人〉
ステーション阿佐ヶ谷 管理者 看護師(取材当時:ステーション城南 看護主任)
A.Hさん
「私はどうしたい?」いつもお客様に向き合い自分に問いかけてきた
大学で実習を経験した時から、いずれ訪問看護で働きたい、と決めており、大学病院に5年勤務したあとソフィアメディに入りました。
終末期のお客様を担当し、初めて一人でお看取りとケアをすることになりそう、というとき、上司が私に「どうしたい?」と聞いてくれました。
そして夜遅くまでそのための手順を教えてくれました。私もしっかりメモをとって備えました。
いざそのときには、他の訪問予定も調整できていて、ご家族もケアマネジャーさんも一緒にあたたかいケアができました。そうさせて頂けたのはお客様からのご褒美だと感じたことを思い出します。
良いケアができ、お客様から「あなたで良かった」と言って頂けると、育ててくれた上司や会社への感謝の気持ちで一杯になります。
上司は芯が強く、お客様想い。
1を聞いたら10返ってくるほど、色々な事をわかっていらっしゃる方で、本当に沢山のことを教えていただきました。DNAを受け継いでいると思いたいけれど、まだ足元にも及びません。自分が教わったことを後輩にも引き継いでいきたいと思いますが強制はできないと思っています。
私が大事に思うことは、他の人にとって大事ではないかもしれない、というのが私の考えです。
その人が何を大事に思っていて、どんな働き方をしたいのか?お客様に対して何をしたいか?
自分自身が押し付けられることを好まないから、自分が聞いてもらったようにしっかりと聞きます。
その上で自分は上司から10返ってきたとき、取りこぼしは百も承知だけれど受けとめようと思った。だからこそ今度は、後輩がどれだけ受けとめてくれるかわからないけれど、できる限り伝えたい、引き継いでいくための種は蒔いていきたいと思うんです。
週一回の訪問が繋がって「生きる」軌跡を描く
その方がどんな人生を歩んできてこれからどうありたいか、どう最期を迎えたいと思っていらっしゃるかということを、いつも考え、お客様にもお聞きしています。
私たちの訪問は週に一回などの「点」です。お客様と、私たちそれぞれの人生がここで出会ったという「点」。
この先、同じように進むか離れてしまうかは色々ですが、出会ったことには意味があると思っています。
今日、一時間訪問したその方にはきっと明日がある。もし明日旅立たれたとしても、ご家族には明日がある。それならば残される側にも何かしら幸せなものを置いて差し上げたいと思います。
エゴかもしれないけれど、「あなたに出会って良かった」と思って頂きたいんです。
一週間に一回訪問するお客様だけれど、毎週水曜の朝にお会いしていると、木曜の朝は何をしているのかな? 金曜の朝は何をしているのかな? って想像するようになる。
その視点で看ていくと、そのお客様の一か月はこうだったね、って「線」で思うことができる。久しぶりに家族や友だち、大切な人に会ったときのように、「会わなかった間、どうしていたの?」って空白を埋めたいんです。
友だちに「またね」っていうとき、「私たちこうなっていくよね」ってお互いに明日からの人生の点線を思い合うように。そして後で振り返ったとき、それは実線になっている。
私たちはその人の人生を一緒に過ごしている存在なのかもしれない、って思うんです。ライトの軌跡みたいに。私にとって“「生きる」を看る”とは、お客様一人ひとりの人生を線で感じ、心から大切にすることだと思うのです。