男性育休はどう変わるのか?育児・介護休業法の改正ポイントと実際に取得した男性スタッフの声

男性育休はどう変わるのか?育児・介護休業法の改正ポイントと実際に取得した男性スタッフの声

厚生労働省によると、2020年度の育児休業取得率は女性が83.0%であった一方、男性は7.48%と低い取得率でした。この状況に対して男性育休の取得推進の検討が進み、2021年6月育児・介護休業法が改正され、2022年4月から段階的に施行されることとなりました。2022年10月には「産後パパ育休(出生時育児休業)」「育児休業の分割取得」が施行され、今まで以上に男性の育児参加を促し、男女の雇用格差の改善につながることが期待されています。

今回は、2022年から段階的に施行される育児・介護休業法の改正のポイントやソフィアメディの育休取得率、実際に育休を取得された男性スタッフの声などをご紹介します。

改正の背景

出生率の低下は社会問題となり、将来的に起こる少子化や高齢化にともなう労働人口減少が危惧されています。それらを解決する対策の一つとして、出産・育児のしやすい環境、女性が働き続けられる環境を整えようと仕事と育児の両立を支援するのが「育児・介護休業法」です。

しかし、株式会社日本能率協会総合研究所が行った「令和2年度仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業 報告書」によると、女性が妊娠・出産を機に「両立の難しさで辞めた」数は41.5%となっており、家事や育児の負担が女性に偏るという課題が残ります。

この状況に対して男性育休の取得推進の検討が進み、2021年6月に育児・介護休業法が改定され、2022年4月から段階的に施行されることとなりました。

2022年4月から施行される改正のポイント

①妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

今回の改正では、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業の確認を、個別に行わなければなりません。

周知事項①育児休業・産後パパ育休に関する制度
②育児休業・産後パパ育休の申し出先
③育児休業給付に関すること
④労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い
個別周知・意向確認の方法①面談
②書面交付
③FAX
④電子メール等
のいずれか
出典:「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」厚生労働省(PDF)

②育児休業を取得しやすい雇用環境の整備

育児休業と産後パパ育休の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主は以下のいずれかの措置を講じなければなりません。

  1. 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
  2. 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
  3. 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
  4. 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

出典:「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」厚生労働省(PDF)

ソフィアメディの育休事情

改正後の対応について

2022年4月に行われた育児・介護休業法の改定に合わせて、ソフィアメディでは労務チームが育児休業を取得しやすい職場環境を目指しています。

①妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置」に関しては、個別周知・意向確認のため、今後はご本人が妊娠・出産される場合、または配偶者が妊娠・出産された場合は、労務チームまで連絡をすることとなっております。

また、「②育児休業を取得しやすい雇用環境の整備」に関しては、(2)の育児休業に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)に取り組んでいきます。労務チーム内に育休担当窓口を設置し、気軽にご相談することができます。また、今後は(2)以外の措置も対応を検討しています。

スタッフの育休取得率

男性の育休取得率を業種別に見ると、「金融業、保険業」(31.0%)、次いで「サービス業(他に分類されないもの」(18.0%)、「情報通信業」(14.8%)、「学術研究、専門・技術サービス業」および「宿泊業、飲食業サービス業」(どちらも13.6%)となっています。その中でも「医療、福祉」は12.4%とやや低い結果になっております。

出典:「令和2年度雇用均等基本調査」厚生労働省(PDF)

ソフィアメディの2021年度の育児休業率を見てみると、女性は100%(33名のうち33名が取得)男性は25%(28名のうち7名が取得)という結果で、男性の取得率は厚生労働省が報告する「医療、福祉」の結果よりも12.6%高い結果となっていました。

実際に育児休業を取得した男性スタッフの声

今回、ソフィアメディで働く男性スタッフで、実際に育児休業を取得された方に「育児休業を取得する前と後での考え方の変化」や「育児休業を取得して良かったこと」、「育児休業を取得したことによる、スタッフとの関わりの変化」についてうかがってみました。

①「育児休業を取得する前と後でのイメージの変化」

妻と一緒に安心して子育てをする休暇だと思っていたが、はじめての子育ては慣れないことが多く、想像以上に大変だった。

(30代、作業療法士)

男性にも必要な休暇というイメージだったが、実際に取得したことで家庭の助けや今後もソフィアメディで働き続ける安心感につながると感じました。

(30代、作業療法士)

どんな生活になるのか想像できず心配でしたが、妻と育児の方針について話し合う機会が増え、夫婦の関係性も深まりました。

(30代、総合職)

②「育児休業を取得して良かったこと」

子どもの姿や成長を実際に見ることができたのが良かったです。

(30代、作業療法士)

実際に育児に参加したことで親としての自覚が芽生えました。

(30代、作業療法士)

妻が普段どんなことをしているのか知ることができた。料理をする機会が増えたことで腕前が上がった。

(30代、総合職)

③「育児休業を取得したことによる、スタッフとの関わりの変化」

ステーション内で育児休業を取得するスタッフが増えました。

(30代、作業療法士)

時短勤務で働かれるママセラピストを改めて尊敬しました。また、ホルモンや体調の変化、育児と仕事の両立を意識したコミュニケーションを心がけるようになりました。

(30代、総合職)

まとめ

男性の育児休業取得率の政府目標は2025年に30%と言われています。ソフィアメディでは男性スタッフがより育児休業を取得しやすい職場環境を目指して、実際に取得した男性スタッフの経験やステーションで行われている工夫などを今後も発信していきたいと思っています。

[文]岡田紘平

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