今と未来を見渡しながら、医療者として様々な選択肢を提案する

ソフィアメディは今、約10,000人のお客様とおつきあいがあります。10,000通りの「生きる」があり、10,000通りの「看る」があります。ソフィアメディのスタッフは“「生きる」を看る。”をどう捉え、お客様と接しているのでしょうか?それぞれの訪問看護に対する想いをご紹介します。

※こちらは2021年10月発行の社内報内インタビューを転載したものです。

〈今回私の“「生きる」を看る。”を話してくれた人〉

ステーション名西 看護主任

S.Yさん

人生の選択をともに考える。

私は病院の急性期病棟、緩和ケア病棟で従事した後、3年前にソフィアに入職しました。病院で働いているときは40代や50代のがん末期の患者様が多かったのですが、ご家族がご自宅で待っていらっしゃっても在宅退院が難しいケースを経験して歯がゆい思いをすることがありました。自宅退院を実現するためにはもっと多くの受け皿が必要だと感じ、訪問看護の道を選びました。

ソフィアメディで働き始めて印象に残っているお客様がいます。球麻痺型ALSの女性で胃ろうを作るために入院されるお客様でした。その方は球麻痺の影響から発話することが困難で筆談でコミュニケーションを取る必要があったため、入院に対して不安を抱えていらっしゃいました。胃ろうの手術の場合だと麻酔によって術後に気持ち悪くなったり、馴染むまでは擦れて痛かったりします。そんな辛い状態の中、筆談で気持ちを伝えるのは大変ですし、どうしても時間がかかってしまいます。

そこで考えた結果、対話カードを一緒に作ることにしました。挨拶カードや「体調はどうですか?」のような病院でよく聞かれる質問の回答カード、辛い時にナースコールを呼んですぐに気持ちを伝えるためのカードなど、内容を一緒に考えて作成して、実際に入院する際に持って行ってもらいました。結果として「これがあったおかげで安心できました。」とおっしゃっていただきとても嬉しかったです。

私にとって“「生きる」を看る。” とは、将来を見据えながらお客様の今に向き合うことだと思っています。こころの一隅まで目を配り、今悩んでいることを解決できるよう一緒に考える。同時に医療者として今後の経過も視野に入れて様々な選択肢をご提案する。また、その先の未来まで出来る限り具体的にイメージしていただくことが大切だと思っています。

色んな出来事に直面した時に「看護師さんがこうなるって言っていたな」と少しでもイメージがついている状態で迎えるのと、まっさらな状態で迎えるのとでは、お客様の精神的な負担感が違うと思うんです。だからこそ、今この瞬間に向き合いながら、その先に目を向けて最期までその方らしい選択をできるように支援したいと思っています。

これからの目標は「自宅に来るのが待ち遠しい人」になること。地域からの信頼を得て、多様なお客様の受け皿になれるよう、ステーションの皆で知識や経験を持ち寄りながら良い看護・リハビリを提供できるよう成長していきたいと思います。