ソフィアメディは今、約14,000人のお客様とおつきあいがあります。14,000通りの「生きる」があり、14,000通りの「看る」があります。ソフィアメディのスタッフは“「生きる」を看る。”をどう捉え、お客様と接しているのでしょうか?それぞれの訪問看護に対する想いをご紹介します。
※こちらは2023年8月発行の社内報内インタビューを転載したものです。
〈今回私の“「生きる」を看る。”を話してくれた人〉
ステーション 小山 看護師
M.Tさん
機能が低下していく中でも希望を叶える
私は11年間総合病院で勤務した後、訪問看護の道を選びました。私にとって “「生きる」を看る。” とは何だろうか?と考えた時にソフィアメディに転職して、まだ間もない頃に担当したお客様とのエピソードを思い出します。
その方は終末期の間質性肺炎を患った男性で、もう余命宣告もされており、特別訪問看護指示書で連日訪問をしている方でした。あまりご自身の希望を主張する方ではなかったのですが、ある日、ボソッと「外の風にあたりたいな」とおっしゃったんです。退院してからずっとお部屋にいらっしゃったので、あまり気分転換ができてなかったのかもしれません。正直、少し動くだけでもSpO2が下がってしまうようなお客様だったので、外出することは相応のリスクがありました。
ただ、死期が刻々と迫っていることを考えると、可能な限り早くこの希望を叶えなければいけないと強く思いました。すぐに同僚と管理者に相談し外出のための具体的な方法を考え、主治医の先生に了承を得て、ご本人様と妻様に説明をしました。そしてご本人様が希望をおっしゃった3日後には短い時間でしたが、外出が実現できて、外の風に当たりたいという希望を叶えることができました。ご逝去されたのはその2日後でした。私にとって “「生きる」を看る。” とは機能が低下していく中でも、お客様の希望を少しでも叶えるために全力を尽くすことだと思います。私はターミナルケアのお客様を担当することが多いのですが、ご自宅に戻ってきて何がしたいのか、今後どのように生活をしていきたいのかはお一人おひとり違います。身体機能が低下していくことが多い在宅医療において、私たち医療従事者ができることは、お客様のニーズを出来る限り理解し、それを叶える方法やより良い生きる方法を共に探すことだと思っています。
そのために、お客様との対話はもちろんのこと、例えば、ご自宅の中のインテリアや飾ってあるものなどからも情報を集めます。言葉にはしなくても、ご自宅に飾っているということは、それを大切にしているということだと思うんです。お客様がおっしゃった何気ない言葉やご自宅の環境などから想像力を働かせて、希望を取りこぼさないようにケアすることが訪問看護師の重要役割なのではないかと思っています。
私は将来的には看護教員になりたいと思っています。看護って面白い仕事だなと感じてくれる人が増えるように、その結果、1人でも多くの方がより良く生きられる社会になるように、これからも全力を尽くしていきたいと思います。