同じ会社内であっても、地域によって様々な色を持つソフィアメディの事業所。St.橿原、St.香芝、St.堺中央、St.堺中央分室堺北の4拠点を置く関西エリアでは、関西ならではの熱気のあるチーム感やステーション同士の関わり合いが生まれています。
関西は関東に比べてまだ訪問看護への転職の割合は低く、転職を考えている方の中には、飛び込んでみたいけれど実際どんな感じなのだろう、と不安からなかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、関西エリアで働く3名のスタッフに訪問看護で働くリアルをお聞きしました。
後編では、各ステーションの個性や関西エリアでのステーション間連携などについて紹介しています。
〈前編はこちら〉
それぞれの色を持つ、関西エリア
ーそれぞれのステーションが所在する地域の特徴を教えていただけますか?
Tさん:橿原市は奈良県の中でも2番目に人口が多い地域で、商業施設や住宅地が多いのですが、一歩外に出ると自然に触れられる緑豊かな街です。
医療の面で言うと、大きな訪問看護ステーションがあまりないので、医療保険のお客様を受け持つことも多く、僕たちの介入が在宅医療の大きな役割を担っている感覚があります。
ーありがとうございます。堺北はいかがですか?
N・Rさん:分室堺北が拠点を置く堺市の北部はチンチン電車が走っていたり、千利休のゆかりの地であったりと歴史を感じられる街です。
堺市は大きな総合病院が多く、その附属の訪問看護も多くあることから、最初はなかなかご紹介も増えず、ステーションとして根を張っていくのが大変でした。でも、徐々にお付き合いを続けていくうちに最近では「土日祝でも対応可能」という点で頼っていただけることが多くなりました。
N・Hさん:香芝市は新興住宅街が多く、ステーションもその中にあります。橿原と似て自然が多く、有名な大きな公園があったり、鳥の鳴き声もよく聞こえます。ご家族世帯が沢山住まれているので、小児のお客様も多いです。
ーステーションの雰囲気はいかがでしょうか?
Tさん:St.橿原は温かくて和気あいあいとした雰囲気がありますね。
お客様のご希望に対してチーム全体で「なんとかして差しあげたい!」という空気があり、お客様のことを想う気持ちが強いスタッフばかりです。
また、ベテランの看護師さんが多く、セラピストが困っている時も看護の視点からサポートやアドバイスをしてくださいます。
N・Hさん:St.香芝は雰囲気がとても和やかなのが特徴かなと思います。忙しい時期でも、管理者を中心にスタッフそれぞれがお互いを想い、穏やかな空気が流れています。また、認知症やがん性疼痛の認定看護師さんがいらっしゃるので、その分野で何か分からないことがあればすぐに専門的な相談ができるのも強みだと思います。
N・Rさん:分室堺北は「一おせっかい、一ありがとう」というスローガンがあるのですが、配慮を持って職種・年齢関係なく何でも遠慮なく伝えていきましょうという意識を全員が持っています。そのため、しんどい時もお互い積極的に声を掛け合いますし、ミーティングでもざっくばらんに意見が飛び交います。
また、分室堺北は訪問看護未経験メンバーだけで立ち上げたこともあり、それぞれが補い合って、支え合いながら「初めて」の壁をチームで越えていっています。
ーそれぞれのステーションの個性が見えますね!
全体で高め合う、関西エリアのステーション間連携
ー関西エリアはステーション間連携が活発だと伺いました。どんな連携をされているのか教えていただけますか?
Tさん:関西エリアでステーションが増えてきたことを機に、各ステーションの良い取り組みを共有してエリア全体として高め合っていこうという目的で2年前から徐々に始まりました。
災害対策、教育、地域連携など、各プロジェクトにおいて有志のスタッフが集まり、ナレッジ共有や勉強会、エリア全体の方針決めなどを行っています。
ーTさんは災害チームのリーダーをされているのですね。災害プロジェクトでは主にどんなことをしているのでしょうか?
Tさん:関西エリアは開設して日が浅いステーションが多く、各ステーションとしての災害時の方針を作らなければいけませんでした。全社共通のマニュアルがあるのですが、それを元にさらに細かな避難場所の選定や災害物品の補完場所、安否確認の方法などステーションごとにルールを決めていく必要があります。
それぞれのステーションの体制に合わせて方針を作るのはすごくパワーがいることなのですが、少しでもその労力を軽減できるよう、既に進んでいるステーションのナレッジを共有し、各ステーションの方針作りに活かしています。
僕は教育や地域連携のプロジェクトにも入っているのですが、本来こういう場がなければ各ステーションの担当が頑張って考えてどうにかしないといけません。でも、ステーション間連携の場があれば、他のステーションのナレッジを借りながら自ステーションの穴を埋めていくことができます。
またそのナレッジをステーション内で共有することで、ステーション全体の知識の拡大にもつながっています。
ー本来ならステーションだけで閉じてしまう情報も、共有することで何倍もの効果を生んでいるのですね。
N・Hさん:私も災害プロジェクトに入っているのですが、Tさんが指揮をとって、月一回ミーティングを開いてくださったり、分からないところは個別で相談させていただきアドバイスしてくださるので一人で悩まずに済み、助かっています。
N・Rさん:プロジェクトだけでなく、普段の訪問についてもステーションを越えて相談しやすい雰囲気があります。例えば、分室堺北は今セラピストが1名しかおらず、お客様の受け入れに限界があって悩んでいたのですが、St.香芝の立ち上げ時はどうしていたか助言をいただいたりしました。
チーム意識が強く、皆さん関西で一緒に頑張っていきましょうという声掛けをしてくださるのでありがたいですね。
Tさん:他にも、関西エリアのセラピストで集まり、定期的に勉強会も行っています。訪問看護未経験のセラピストだとフィジカルアセスメントが不足したり、難病の知識が浅かったりと、ある程度同じ課題を持っているので、エリア全体で弱みを認識し、ケアの質を上げていくことができます。
実際、勉強会を始めてから、スタッフがどこに着目して報告するのか、異常の有無をどう判断するかなど的確になっているので、スタッフのスキルも上がってきているように思います。
ープロジェクトのみならず、日々の業務もエリア全体で助け合っておられるのですね。
また、ステーション間だけでなく、社外との連携も活発だとお聞きしました。社外連携はどのようなことを行っているのでしょうか?
Tさん:地域連携スタッフが社内だけでなく、ケアマネジャーさんなど社外の方に向けても勉強会を開催しています。すでに20回以上行っており、こんなに高頻度で開催しているのは地域でも珍しく、地域医療のためにと皆で積み上げてきてきたことが地域からの信頼にもつながっているように思います。
ーステーションや会社の域を越えて、地域医療全体にも貢献しようと活動されているのですね。素晴らしいです。他に地域連携で大切にしていることはありますか?
N・Rさん:分室堺北のスタッフは地域連携はケアの第一歩だという考えを持っています。そのため、ケアマネジャーさんやヘルパーさんなど関係機関との関係性をとても大事にしていています。例えば、お看取りや新規の方の介入が始まる時には必ずケアマネジャーさんに直接ご挨拶をするのですが、そうやってコミュニケーションの機会を積極的に作ることで、ケアマネジャーさんのお人柄を知ったり、私たちのことを知っていただく機会になり、いざ連携をさせていただく時にお客様にとってより安心していただけるような関わりができると思っています。
N・Hさん:St.香芝では、地域の他訪問看護事業所との連携を特に積極的に行っています。お客様にとって一番安全でベストな対応方法を検討した上で、他訪看の介入がお客様にとってもその事業所にとっても良いと判断すれば一緒に介入していただけるようお声掛けすることもあります。
ー自分たちだけでどうするかではなく、地域全体でお客様をどう支えるかを常に考えておられるのですね。
関西で中心となる訪問看護を目指して
ー最後に、これからどんなステーションにしていきたいかを教えてください。
N・Rさん:やっぱり誰かを幸せにしていくためには自分たちもハッピーじゃないといけないと思っています。まずはスタッフの健康やプライベートを大切にした上でお客様を看ていけたらと思っています。また、分室堺北はじめ、ソフィアメディの訪問看護には温かさが溢れているので、そういった部分を世の中にもっと届けられたらと思っています。
N・Hさん:St.香芝のいいところや雰囲気は残しつつ、みんなで学び続けてステーション全体の知識やケアを向上していきたいと思っています。また、プライベートを充実させるためには仕事の効率化も重要になります。円滑に効率よく仕事ができる方法もチーム全体でもっと模索していけたらと思います。
Tさん:スタッフの生活を守りながらケアの質も保ち、皆が働きやすい環境を整えていきたいと思っています。また、もっともっと社内外での連携を増やしていき、ソフィアメディが中心となって関西の訪問看護をもりあげていけたらと思っています。
ー関西エリアの皆さんの熱い想いをお聞きすることができました!ありがとうございました!
普段ステーション間で連携しているだけに皆さんそれぞれのことを良く知っており、座談会の雰囲気も和やかでした。皆さんの熱い想いが種になり、今後も関西エリアで多くの「生きる」を看る。の輪が広がっていくことでしょう。