チームで支えた「最後まで一緒にいたい」というお客様の生きる糧

チームで支えた「最後まで一緒にいたい」というお客様の生きる糧

ソフィアメディは今、約10,000人のお客様とおつきあいがあります。10,000通りの「生きる」があり、10,000通りの「看る」があります。ソフィアメディのスタッフは“「生きる」を看る。”をどう捉え、お客様と接しているのでしょうか?それぞれの訪問看護に対する想いをご紹介します。

※こちらは2019年10月発行の社内報内インタビューを転載したものです。

〈今回私の“「生きる」を看る。”を話してくれた人〉

ステーション溝口 看護師

I.Aさん

認知症のご家族様による老々介護をチームで支える

今年の夏に亡くなられたある男性のお客様が印象に残っています。

2年くらい、ストマ管理と病状観察で関わらせていただきました。

ADLも落ちて寝たきりの状態で、脳萎縮もみられていたので後期には「あー」「うー」くらいしかお声が出ないようになっていました。

70代のご家族(妻)様が老々介護をされていたのですが、認知症でいらっしゃったんですね。ストマ処置をお願いしても忘れてしまわれるのです。病院から戻られた後、ストマ処置をできなくてパンクしてしまったことが何度かありました。

ケアマネジャーさんと一緒に施設をお勧めしたこともありました。ただ、ご家族(妻)様の、おうちで最後まで一緒にいたいというお気持ちがとても強くて。認知症を患っていてもその意志はぶれなかったんですね。

そこで処置に困った時には看護師を呼んでもらうようにしました。そうすると土日や夜間も度々オンコールが鳴るようになりました。最後の方は週1回くらい。

18時前には、担当で看護師が代わる代わるお電話して、「夜寝る前に便出しとガス抜きをしてくださいね」とお伝えするようにしました。その他にも大きな文字で貼り紙を作ったり、先生に相談して薬を調整したり。

ご家族(妻)様が「看護師さんからお電話があると安心します」と言ってくださるので、わたしたちが支えるんだ、と思い色々な手を考えました

ケアマネジャーさんも色々とご協力してくださって、ヘルパーさんの訪問回数を増やし、新しくヘルパーさんが入る時にはケアマネジャーさんと一緒にストマ確認について指導をしたりしました。

奥様はがんばって食事を作ったりされていたのですが、ある時ふと、「わたしのわがままで無理をさせてしまっているのかしら?」とおっしゃったことがありました。

でも、お客様は言葉のコミュニケーションは難しい状態でしたが、奥様といらっしゃるときが一番安心したご様子でした。

施設に入所するという選択をしたら苦労は少なかったでしょうが、そうしないで、医療関係者皆がチームとなって奮闘したのは、お二人にとっておうちで一緒にいることが生きる糧だと知っていたからです。そして最後の時まで一緒にすごしていただくことができました。

病気と生きていくとき、将来に不安や大変さを感じることが沢山ありますが、その中でも、これをできるようになりたいとか、こんな風に暮らしたいという小さな希望を持つことが、生きる糧になると思うんです。

その希望を叶えるお手伝いができれば、その人らしい人生に繋がるのではないかな、と。生きる糧を支えるのも、“ 「生きる」を看る。”ということなんじゃないかと思います。