サッカーで培った仲間を支えるプレースタイルで、ソフィアメディのチーム作りをアシスト

サッカーで培った仲間を支えるプレースタイルで、ソフィアメディのチーム作りをアシスト

ソフィアメディには、訪問看護師やリハビリ専門職、ケアマネジャー、介護職員の他に、地域と連携しながら働く「地域連携相談員」として活躍する人たちがいます。

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前回の記事に登場したお二人と同じ社会人サッカーチームでプレーをされるIさん。どのようなサッカー人生を歩んでこられたのか、そしてどのような経緯から社会人になり、ソフィアメディで働くことになったのかお話を伺いました。

(※記事の内容は2022年4月取材当時のものです。)

<プロフィール>

■I.Hさん/相談員/地域連携推進グループ

神奈川県出身。幼稚園からサッカーを始め、バディーSC、横浜F・マリノスジュニアユースみなとみらい、同ユースと進み、学校とサッカーを両立する学生時代を送る。東海大学を経て、J3のY.S.C.C.横浜に加入。出場機会に恵まれず1年で退団。その後、2018年に、縁があり神奈川県社会人サッカーリーグに所属する品川CC横浜に加入。サッカーをしながら求人広告会社の営業を行う。2022年2月、同じチームで働くメンバーに紹介されソフィアメディに入社。趣味は釣り、ゲーム。

サッカーとの出会い、勉強と両立し続けた学生時代

──サッカーを始めたのはいつからですか?

Iさん:サッカーを始めたのは幼稚園の年中になります。僕が通っていた幼稚園では放課後にサッカースクールを行っていたのですが、それを見て「やりたい」と親に頼んだのが始まりですね。

バディースポーツクラブ(以下、バディーSC)というスクールは、運動を通して子どもの成長のサポートを目指していて、サッカーの他にも水泳や新体操、剣道の教室などがあります。年長になるとバディーSC内のチームが集まって大会を行うのですが、そこで良い結果を出すと小学生からバディーSCの選抜チームに入ることができます。

──Iさんも選抜チームに入られたんですか?

Iさん:はい、無事選抜チームに選ばれました。本格的にサッカーの練習に取り組み始めたのはこの頃ですね。バディーSCは、神奈川県の中では上位チームになり、何度か全国優勝するほどでした。

バディーSCでプレーしていた頃の写真

──その後はどのような形でサッカーを続けられてきたんですか?

Iさん:中学生になってからは横浜F・マリノスのジュニアユースに入り、高校生では同じチームのユースにいました。

私立のスポーツクラスではなく公立高校に通っていて勉強もしっかりやらなきゃいけなかったので、日中は授業を受けて、それが終わってから練習に行く日々でした。すごく勉強ができた訳ではありませんが、高校受験も一般入試だったので平均点を超えられるように頑張っていました。

──サッカーで体力をつかうので、勉強と両立していくのはなかなか大変そうですね。

Iさん:高校のテスト期間中はサッカーの練習が休みだったのですが、途中からその制度も無くなってしまい、その時は本当に辛かったですね。練習を終えて帰ってきたら23時ごろから少し勉強をして、あとは通学中のバスの中で暗記をしていました。

──大人顔負けのスケジュールですね。

Iさん:そうですね(笑)。

学校とサッカーの両立をずっとやってきたおかげもあり、今は仕事を終えてからサッカーの練習に行くのはそこまで苦に感じていませんね。

──高校卒業後は大学に進学されたんですね。

Iさん:高校3年生頃からプロサッカー選手になりたいと思うようになり、そのためには何をしなければいけないのか考え始めました。

高校を卒業してすぐプロになる選手もいますが、1〜2年で辞めてしまう人の割合って実はものすごく多いんですよ。あと、高卒でプロになったけど、20代前半で契約解除になってしまったり。そうなると、高卒の状態で社会に出て行かなければいけないことになり、サッカー界では問題になっています。

だから、最近は大学に進学してからプロ選手を目指す人が増えてきました。大学生になってからの方が身体作りもしっかりできるので、プロ選手になってからすぐに活躍することができます。

──では、岩壁さんが大学進学を選ばれたのも、サッカー選手になるためのベース作りやサッカー選手以外の選択肢を増やすためだったのですか?

Iさん:高卒でJリーグ以外の日本フットボールリーグ(JFL)や社会人チームに行く選択肢もありましたが、実力的としても高卒でプロ選手になるのは難しいと思っていましたし、将来のことをいろいろ考えて大学進学を選びました。。

──それでは、大学を卒業されてから無事にプロ選手になられたんですか?

Iさん:J3リーグに所属する「横浜スポーツ&カルチャークラブ」(以下、Y.S.C.C.横浜)に加入して、1年間プロとしてプレーしていました。

思い描いていたプロ選手とのギャップ。サッカーと社会人の両立

──学校を卒業して、これでようやくサッカー一本になったんですか?

Iさん:名前はJリーグですが、J3ではプレーしながら仕事を掛け持ちしているチームが半分くらいになります。仕事と言っても非正規のものが多く、自分たちのチームが運営しているサッカースクールでアルバイトをして、それでようやく生活が成り立つという感じです。僕も午前中はサッカーの練習をして、午後からはサッカースクールのコーチや学童保育の先生のようなこともやっていました(笑)。

──そこでもサッカーと別の仕事を両立する生活が続いていたんですね。1年間のプレーとありますが、辞められた理由はなんだったんですか?

Iさん:最近では、J1で活躍していた有名な選手が引退後にサッカー解説のような形で引き続きサッカーに関わる仕事をしていると思いますが、それも一握りの人しかできません。そういうことを考えていくと1~2年プレーして、個人昇格や他のチームに移籍することができなければ最長でも2年で辞めようと思っていました。

実際、なかなか試合に出る機会に恵まれなかったので自分の将来がだんだん不安になり、「たぶん来年チームに残ってもこのままかもしれない」と思い、そこで一旦区切りをつけて働くことを決めました。

──幼稚園のときから続けられてきたサッカーがそこで途絶えてしまい、かなり落ち込まれたのでは?

Iさん:練習で結果を出してもなかなか試合で使ってもらえず、うまくいかないことが多かったので、すごくマイナスな気持ちになっていましたね。

でも、その時に父親から「サッカーを続ける、続けないと迷ってる時点で、本気でもっと上に行きたいという気持ちがないんじゃないか?」と言われて、それが僕の中では一番の決め手でした。たしかに将来の不安があったとしても本当にサッカー選手として成長していきたければ、もっと必死に食らいつきながら続けていただろうなと思いました。そこで、もうサッカーは辞めて仕事だけに専念しようと気持ちが切り替わりました。

そんな時に神奈川県社会人サッカーリーグに所属する品川カルチャークラブ(以下、品川CC横浜)のゼネラルマネジャーである吉田さんから「よかったら練習に来てみたら?」と誘っていただき、品川CC横浜の練習に参加しているうちにまたサッカーが楽しいと思えるようになっていきました。

品川CC横浜のいいところは、チームメイトの中に他の会社で営業として活躍しながらプレーしている人が多くいたので、サッカーだけではなく人として、社会人としても成長できるコミュニティのような感じでした。それもあって品川CC横浜でまたサッカーをやろうかなと思い、2018年1月に加入を決めました。

──品川CC横浜に入られてからはどんなお仕事をされていたんですか?

Iさん:人材業界でアルバイトの求人広告の営業をやっていました。営業の経験はなかったのですが、チームメイトと練習の合間や試合の移動中に仕事の話をすることが多かったので、そこで「どういう営業をしているんですか?」「その実績ってどうやってできたんですか?」とよく相談していました。

でも、働いているタイミングで新型コロナウイルスの感染が始まり、担当していた飲食や販売接客業界はかなり打撃を受けていました。お店側からすれば経営難で求めていないことはわかっているのですが、こちらも営業をしなければいけないので電話をすると「Iさん、こっちの状況わかるでしょ?」と言われてしまうということがありました。

お客様に合ったもの、必要なものを売りたいという気持ちで仕事をしていたので、コロナ禍で求められていないものを売りに行かなければいけないというジレンマがあり、僕の中では前向きに仕事に取り組むことができなくなっていました。

──その辺りから転職を考え始められたんですか?

Iさん:新型コロナウイルスの影響で医療業界が逼迫している、というニュースを多く目にするようになりました。そんな中、チームメイトの中にソフィアメディで働いている人がいて、仕事の内容やどんなことをしている会社なのか何度か話を聞く機会があり、今世の中からも求められている訪問看護の業界で働いてみたいと思うようになりました。

特に決め手となったのは、ソフィアメディの行動指針にある「お客様第一主義に徹し、常に相手本位に行動する。」という言葉です。

──まさしくIさんが大切にされていた「お客様に合ったもの、必要なものを売りたい」という部分ですね!

Iさん:自分のために頑張るというのが得意ではないので、誰かのために頑張る方が責任が伴ったり、妥協が許されなくなるので。きっとディフェンダーとしてサッカーをやってきた部分が影響しているのかもしれません。

ディフェンダーはピッチの中で後ろにいる選手なので、自分たちがしっかり守っていい流れで前にボールを繋げたい、点を取ってもらいたいというマインドでサッカーをやってきました。

チームメイトからソフィアメディを紹介してもらい、ホームページで調べているうちに会社の行動指針が自分の考えとマッチしていたのが決め手としては大きかったですね。自分が大切にしてきたプレースタイルや仕事をする上での価値観が、ここでは許されるんだと。

ソフィアメディというチームを支える、DFとしての役割。

──ソフィアメディに入社されたのはいつ頃ですか?

Iさん:2022年2月です。ソフィアメディを紹介してくれたチームメイトと同じ地域連携推進グループとして、地域のケアマネジャーさんやソーシャルワーカーさん、退院調整をしている看護師さんたちにソフィアメディの訪問看護を知ってもらう活動をしています。

──異業界への転職だったかと思いますが、コミュニケーションの部分で困ることはありますか?

Iさん:まだ入社して2ヵ月なので、専門的なお話をさせていただく機会は少なく、今のところ大きな困りごとはありませんね。その場で答えられなかった時は、「すぐにお返事することができないので、誤りがないように調べてからまたご連絡します」と正直に伝えるようにしています。その時も、先延ばしにならないよう当日中にご連絡をさせていただくように心がけているので、今のところ大きなトラブルは起きていませんね。

──訪問先でサッカーの話になることはありますか?

Iさん:自分からサッカーの話題を出すことはありませんが、肌が色黒なのでケアマネジャーさんやお客様から「サッカーやってるでしょ?」と言われることが結構多いですね(笑)。その時はサッカーの話題で盛り上がりますね。

でも、相談員としては自分があまり出過ぎないようにしています。それよりも、スタッフの方々の魅力をみなさんに知っていただきたいと思っているので、新入職員の方が入られた際には、経歴や得意なこと、どんな想いで仕事をしているのか聞いて紹介シートを作成し、ケアマネジャーさんにお配りしています。

──前線で活躍するスタッフを支えるプレー、まさにディフェンダー的な働きですね!

Iさん:そうですね(笑)。サッカーの試合中は戦術を考えたり、相手がこうしてきたからこうしよう、というのを意識していますが、そういう客観的に見るスキルは仕事の中でも活かせる部分がたくさんあると思っています。

──サッカーの経験やプレー中のポジションが仕事にもつながっていますね。

Iさん:先日、横浜F・マリノスの元コーチの方が講師を務める「チームビルディング研修」というものに品川CC横浜のメンバーと参加してきました。今までサッカーを通じてチーム作りの大切さを学んできたので、これからはその経験を活かしてソフィアメディやステーション単位でのチーム作りに貢献したいと思っています。実際に参加したチームビルディング研修の取り組みをステーションでも応用してみたい、ということをステーションの管理者さんに提案しています。

今までの経験を活かしてソフィアメディで何か役に立ちたい、というのが転職する上でも大きなポイントでした。サッカーを通して学んできたことは、スポーツに限らずあらゆるチームの取り組みでも活かすことができる、ということを社会人になってから何度も感じました。

──ソフィアメディというチームの中で、周囲を見渡しながらボールを回すことができるIさん。今後、さらにパス回しや連携が良くなっていきそうですね!

Iさん:僕もそういう部分が一番自分の力を発揮できるかなと思ってますね。ありがとうございました。

[取材・文・写真]岡田紘平 [サッカー中の写真]ご本人提供