お客様もスタッフも“一人”にしない。管理者になったベテラン看護師の決意

お客様もスタッフも“一人”にしない。管理者になったベテラン看護師の決意

「訪問看護がやりたい」と新しい仲間が続々と集まってきているソフィアメディ。中には、今まで病院での勤務経験しかなかった人や訪問看護の経験が浅い人も大勢います。

責任感の強いベテラン看護師のAさんも、訪問看護への挑戦はソフィアメディが初めて。5年前に入職し、現在は管理者としてのキャリアを歩み始めています。そんなAさんに、お客様や地域、そしてステーションの仲間たちへの率直な想いをインタビューしました。

<プロフィール>

■A.Mさん/看護師・管理者/ステーション東が丘勤務

がんの専門病院に就職し、途中は妊娠・出産・育児とライフステージの変化もありながら、病棟や外来で看護師として数十年勤務。第一子が小学校に入学するタイミングで転職を決意。以前から興味があった訪問看護に挑戦しようとソフィアメディへ転職。現在は入職5年目で、2021年6月に管理者に着任したばかり。家族は夫と小5・小2の娘、それから最近飼い始めた犬との4人と1匹暮らし。

(※記事の内容は2021年10月取材当時のものです。)

ずっと、日常生活を中心に考える看護がしたかった

──病院勤務のキャリアが長かったAさん。どうして訪問看護の道を選ばれたんですか?

Aさん:実は、かなり前から「いつかは訪問看護がやりたい」と思っていました。

一般的に病院へ行く理由は病気の治療がメインで、治療の方針に従って患者さんに関わることが多いです。でも私は昔から、ソフィアメディが掲げているように『生きるを看る』ことが大切だと思っていて。患者さんに「これをやってください」「これはやらないでください」と指導をするよりも、ご本人のやりたいことや日常生活を大切にしながら「どう病気と付き合っていくか」を考える関わりがしたい、という気持ちがずっと心の中にありました。

もちろん病院にも、仕事をしながら治療を続けるなど、生活を中心に考えて病気と向き合っている患者さんは大勢いらっしゃいます。病院で働く医療従事者も「どうすればご自宅での生活がもっと良くなるか」「副作用をどうコントロールしていくか」といったことに、熱心に取り組んでいました。薬の飲み方や自宅での生活指導も、その一環でした。

でも、あくまで病院側でできるのは指導まで。その内容を実際に生活の中に取り込んで、なじませていくのはご本人です。退院してから、指導したことが継続されているか確認することもできません。 

訪問看護師がお手伝いしているのは、まさにそういう部分です。これまで触れたくても触れられなかった部分に今は触れることができているので、そこに大きなやりがいを感じています。

お客様お一人お一人を大切に、“その方らしく”看取れるように

──訪問看護の会社がたくさんある中で、ソフィアメディを選んだ理由はズバリ何ですか?

Aさん:組織体制が整っていて、訪問の看護業務に専念しやすい環境がありそうだなと思って選びました。また、『英知を尽くして「生きる」を看る。』という会社のMissionにもビビッときましたね。自分が思っていたことが、ギュッと一言になった感じがして。

ソフィアメディはお客様一人ひとりを大切にしていて、同時に働くスタッフ一人ひとりのことも大切に考えてくれる会社です。働き方の多様化など、小さな組織だったら通常業務に圧迫されて手が回らないような部分にまで、本部の皆さんが色々と考えてくださっています。そういう動きができるのは、やはりこれだけ規模の大きな会社だからでしょう。

──訪問看護をしていて、どんなときに一番やりがいを感じますか?

Aさん:お客様をその方らしく、ご自宅で看取ることができたときです。例えば、お二人の世界で穏やかに暮らされていた、認知症の90代ご夫婦。もともと海外旅行にも頻繁に出かけられていたアクティブなお二人で、90代後半まで毎日一緒にビールを飲まれていて。お話を聞くのもいつも楽しくて、すごく大好きなご夫婦でした。

ご主人の足が次第に悪くなり、ついに歩けなくなってしまってベッドを入れることになったのですが、奥様も認知症。いきなり大きなベッドが来ると混乱してしまうよねという話になりました。そこで往診の先生やケアマネジャーさん、ヘルパーさんたちとみんなで話し合いを重ね、日常生活に徐々に馴染ませながら、慎重に福祉用具の導入を進めていくことになりました。おかげで混乱もなく、穏やかな最期を迎えられました。

色々な職種の方と連携を取りながら進めることができ、とても貴重な経験となりました。 

地域から信頼されるステーションを、仲間と一緒に守っていきたい

──ステーション東が丘は、どんなところですか?

Aさん:看護師8名、リハビリセラピスト7名、事務1名の16名体制です。お客様は現在190人弱くらいでしょうか。(取材当時2021年11月時点)

ステーション全体でお客様お一人お一人への介入を大切にしていて、皆さんとても熱心な方ばかりです。特に東が丘はリハビリ介入のバリエーションも豊富で、対応の幅が広いと感じています。最近は中重度の症状を抱えるお客様が増え、365日体制で頑張っていますが、ステーションのみんなで支え合っているおかげで余裕をもって働くことができています。 

──地域との連携はいかがですか?

Aさん:近隣にもたくさんの訪問看護ステーションがあります。お客様の新規受け入れが難しい場合には対応が可能かご相談をして受け入れ先を確保するなど、ステーション同士で助け合っています。

それからケアマネジャーさん、往診の先生、医療センターの退院支援の看護師さんとも密に連携を取れていますよ。様々な職種の方と関わらせていただくことで、お客様への説明の仕方やコミュニケーションの取り方、他職種ならではの視点など、学ばせていただくことが多いです。

──東が丘の管理者を引き継いで4ヶ月。現在はどんな心境ですか?

Aさん:最初は正直消極的な気持ちもあったのですが、そんなことも言っていられなくて…。社会的にも時代的にも、中重度の方が在宅で安心して過ごせる環境を作るのはとても大事なことですし、そこに積極的に関わるのは自分のやりたかったことでもあるので、試行錯誤しながらなんとか頑張っています。

このステーションはもともと地域の中で、「どんな方でも、あそこに頼めばなんとかしてもらえる」と信頼を寄せられていました。私が引き継いだ後にその良さが崩れるようなことがあってはならないので、これまでの信頼を維持し、しっかりと地域で役割を果たせるように守っていきたいと思っています。

スタッフを孤独にしない。目指すは何でも聞ける環境づくり

──管理者として、普段からどんなことを心がけていますか?

Aさん:スタッフ一人ひとりにも家庭や様々な事情があり、日々のコンディションにもバラつきがあります。だからなるべく自分から声をかけ、スタッフの方からも話しかけやすいような雰囲気を作ろうと思っています。もともとステーション東が丘は、みんなで支え合う文化を大切にしていたので、今の雰囲気をしっかり維持していきたいです。

──そのために何か工夫していることがあれば、教えてください。

Aさん:忙しそうなオーラを出さないこと、ですかね。でも、実際はまだ全然慣れていなくて、バタバタしているところを見せてしまっているので、もしかすると皆さんから心配されているのかもしれません。今後はもう少し落ち着いた姿を見せていきたいです。

──経験の浅い看護師さんに対しては、どう接していますか?

Aさん:訪問時の不安を少しでも減らしたいので、慣れるまではお客様先へ同行したり、新しい福祉用具を導入する際には勉強会を開き、知識が増えるようなサポートも心がけています。不安なことがあれば、本人から何でも聞いたり伝えたりできるような環境を作ることも大切ですよね。

訪問するのは一人でも、不安が生まれたときはステーションに持ち帰ってみんなに相談すればいいし、すぐ答えが必要なときはその場で私やステーションに電話して聞けばいい。気持ちの上では「一人じゃない」と感じてもらえればいいなと思っています。

たとえ未経験の領域があったとしても、そんなに心配する必要はありません。訪問看護の仕事は本当に幅が広く、どんな人でも絶対に自分の良さを発揮できるポイントがあるので。本人がその強みを見つけて、ソフィアメディで「生きるを看る」素晴らしさを実感できるように、しっかりサポートしていきたいですね。