プロサッカー選手から訪問看護業界へ。アスリートたちのセカンドキャリア

プロサッカー選手から訪問看護業界へ。アスリートたちのセカンドキャリア

ソフィアメディには、訪問看護師やケアマネジャー、理学療法士、作業療法士などの他に、地域と連携しながら働く「地域連携相談員」として活躍する人たちがいることをご存知でしょうか。

相談員は、資格がなくても始められるお仕事です。訪問看護をその地域に根づかせていくための活動や、地域の関係機関とのコミュニケーター的な活動を日々行なっています。

今回は、共にプロサッカー選手からソフィアメディの地域連携相談員に転身された、Nさん・Tさんにインタビュー。異色の経歴を持つお二人が、なぜセカンドキャリアにソフィアメディを選んだのか、そして相談員の仕事にどんな魅力を感じているのか、詳しく伺いました。

(※記事の内容は2021年9月取材当時のものです。)

<プロフィール>

■N.Kさん/相談員/地域連携推進グループ所属

山口県出身。中学からずっとサッカー中心で寮生活を送り、熊本の中高一貫校、駒沢大学を経て、福島でプロの選手に。その後は高知のチームで2年、徳島のチームで1年プレーし、現役を引退。2021年1月にソフィアメディに入職し、相談員としてセカンドキャリアをスタートさせた。現在は社会人サッカーチーム・品川CCでも活躍中。ポジションはDF。弟と妹もそれぞれサッカー・バドミントンで全国行きを果たした実力を持つ、スポーツ一家の長男。

■T.Kさん/相談員/地域連携推進グループ所属

神奈川県出身。仙台大学で教員免許の取得を目指しながらサッカー部で活躍し、卒業後はJリーグのFC岐阜に入団。子どもたちの育成にも携わりつつ、セカンドチームで3年間プレーした。その後、愛知県の実業団チームで2年間プロ契約選手として活動し、翌年、東京都葛飾区の南葛SCで1年間プレー。2020年、現役引退。美容系メーカーで勤務するも、原点に帰り仕事とサッカーの両立を模索。2021年8月にソフィアメディに入職し、同じく品川CCでサッカーを続けている。ポジションはFW。

現役のサッカー選手を引退し、ソフィアメディに出会うまで

▲品川CCに所属するソフィアメディメンバー
──お二人ともプロとしてのサッカー人生を歩まれ、現在は同じ社会人チームに所属されているそうですが、入職前から面識があったのでしょうか?

Nさん:ええ。二人とも、品川CCという社会人サッカーチームの代表に紹介されてソフィアメディに入りました。僕のほうが先に働いていたので、入職前にTさんから相談を受けたりしていましたね。

僕は徳島県のチームでプレーしていた昨年末、セカンドキャリアを考え始めた頃に品川CCからオファーをいただいてチームを移りました。チームの移籍と同時にソフィアメディの面接を受け、年末に内定が出たと思ったら、「もう1月から働けるよ」と言われて(笑)ものすごいスピードでの入職となりました。

Tさん:僕は昨年引退し、セカンドキャリアで自分が何をやりたいか分からないまま仕事を探し、最初は営業職で美容系メーカーに入りました。半年間がむしゃらに営業をやっているうちに、「もっと社会に直接貢献できる仕事がしたい」と思うようになりました。そこから原点に戻り「自分を活かそう」と考え、サッカーをしながらビジネスマンとして生きていく道を模索していたときに、品川CCの代表とご縁をいただきました。

僕の想いを色々と話していくうちに、訪問看護で社会課題を解決しようとしているソフィアメディを紹介され、先に働かれていたNさんとお会いした際にも、仕事もサッカーも充実しているというお話を聞いて具体的なイメージも持てたので、迷わず入職を決めました。

──現在、仕事とサッカーはどのように両立されているのでしょうか?

Nさん:品川CCは社会人チームなので、「仕事優先で、その上でサッカーも全力でやろう」というスタンスです。基本的に仕事は土日休みなので、サッカーの活動に参加するのは土日。平日も火・木の20時半から練習がありますが、行けるときに参加するという感じですね。チームには高校・大学時代の有名選手や、プロ選手として活躍していた人たちもいるので、すごく刺激をもらっていますし、充実した時間を過ごせています。

地域とソフィアメディを繋げていくのが、地域連携相談員の役割

──次に、お二人が担当されている「相談員」の仕事内容について簡単に教えてください。

Tさん:僕はまだ入職して2〜3週間しか経っていないので、研修でいろいろな方に同行させていただいて現場を学んでいる最中です。毎朝、各ステーションの朝礼に参加してから、先輩と一緒に電動自転車で居宅支援所や地域包括支援センター・病院などを1日10〜20件ほど計画を立てて回ります。

相談員の仕事は、「ソフィアメディの訪問看護を必要としている人はいませんか」という形で、地域のケアマネジャーさんやソーシャルワーカーさん、退院調整をしている看護師さんたちに知ってもらうために活動すること、ですかね。…どうでしょうか?

Nさん:付け加えるとすれば、地域の関係機関でお困りごとや相談ごとがあった際にソフィアメディとしてできることをヒアリングし連携手配をするなど、訪問看護がその地域に根ざしていくための活動も相談員の仕事です。地域のコミュニケーター的な役割を担う、地域連携の仕事が中心ですね。ソフィアメディのことをすでに知っていただいている方や、仲良くなっている方に対しては、僕はシンプルに「何かお手伝いできることはありませんか?」と聞いちゃいます。

その他には地域の方々向けに、血管年齢を測る健康測定会や、体操教室なども積極的にやっています。地域に貢献できるような活動や、地域とソフィアメディを繋げられるような活動も、僕たち相談員の仕事です。

あと、訪問看護のご依頼をいただいた後は、必ずお礼の訪問に伺います。「何かあればまたいつでもご相談ください」「お力になれることがあれば何でもします」などとコミュニケーションを取り、さらに関係性を深めていきます。

また、新規のご依頼をいただいても、ステーションによっては受け入れの余裕がなく、どうしてもご依頼を断らないといけないケースもあります。そのときもただお断りするのではなく、他社様と繋げるなど、相手の方の選択肢を増やせるような提案を心がけています。

──本当に「地域の相談役」という感じですね。

密なコミュニケーションで築く、ステーションスタッフとの信頼関係

▲Nさん担当エリア St.青葉台での管理者とのコミュニケーションの様子
── 相談員の仕事の中で、社内の看護師やセラピストの方と関わることはありますか?

Tさん:はい、いつも自分の担当地域のステーションの朝礼に参加し、専門職の方々から契約いただいたお客様の情報やスタッフの空き状況等の共有をしていただいています。訪問の空き枠やスタッフの稼働状況によって各ステーションへお客様の紹介可能数が変わるため、常にステーションの情報をキャッチアップできるようにしています。特に管理者さんとコミュニケーションすることが多いですね。

また、地域のケアマネジャーさんやソーシャルワーカーさんを訪問する際に、専門職スタッフの方に同行してもらい、直接お客様の情報をお伝えすることもあります。

Nさん:あと、はじめのころは何度かお客様の元へ現場同行し実際にどのようにサービスが提供されているかを自分の目で知る機会をいただいていました。

また、医療用語や知識など活動の中で分からないことがあった時にはステーションで専門職の方に教えていただいています。

仕事の話だけでなくプライベートの話もするなど、専門職の方とのコミュニケーションはとても大切にしていますね。

専門職の方に連携機関に同行していただいたり、ステーションでのコミュニケーションを密にしているのも、顔の見える関係性を大切にしたいと考えているからです。

── 専門職の方ともよくコミュニケーションを取られているのですね!専門職の方から何か刺激をもらうことはありますか?

Nさん:お客様お一人お一人に合わせて接し方を変えたり、お客様の小さな変化に気付いて処置をしたりと専門職の方々のお客様本位な姿勢には常に学ばせていただいています。そのような姿勢から、私も連携先を訪問する時に関わるお一人お一人の何気ない一言やお困りごとをキャッチできるよう意識するようになりました。

Tさん:私も、常にお客様の気持ちやご家族様の気持ちについて考え、意見交換されている専門職の皆さんの姿はいつも本当に素晴らしいと感じています。人の人生や命に関わる仕事をしているということだけでなく、そのような仕事への姿勢をとても尊敬しています。

異業種からの転職でも、「人のために」というまっすぐな気持ちがあれば大丈夫

▲Tさん担当エリア St.不動前での管理者とのコミュニケーションの様子
──これまでのサッカー経験を、今の仕事に活かせていることはありますか?

Tさん:選手時代、成長するにはチームの見本となる選手の真似をするのが一番早いと思っていたので、「今のシュートはどうやって打ったんですか?」などとしつこいぐらい聞きに行っていました。その姿勢は、研修中の今にも活きていると思います。いろんな方に時間を割いていただいている中で、「今がチャンスだな」と思ったら、とにかく時間の許す限り質問をする。そうやって、分からないことをクリアにするよう心がけています。

Nさん:たしかに選手時代は溢れるほど課題があったので、僕もその都度聞いたり調べたりしていました。また、サッカーはチームスポーツなので、チームのために動くことが非常に大切です。大学時代の監督からは「自分のためだけに動くヤツは限界が決まっている。でも、仲間のために動けるヤツは伸びていく」と口酸っぱく言われていました。その教えはソフィアメディの5Spirits(行動指針)にもある「相手本位」という考え方にも通ずるので、今に活きているなと感じています。

──お二人は今後、どんな相談員を目指していきたいですか?

Nさん:サッカー選手時代から結果にはこだわってきたので、引き続きこのマインドは忘れずにいたいですね。地域の方々に貢献できることがあれば、何でもやろうと思っています。また、周りに気を配れて、みんなを助けられるような相談員になりたいです。

Tさん:ご紹介件数を増やし、目標を達成していくことも重要ですが、一方でこの仕事はそれがすべてではありません。数字を追いかけるだけでなく、仕事でお会いするケアマネジャーさんをはじめ、その先のお客様や、ステーションの管理者さん、他のスタッフさんたちまで、自分が関わる皆さんが幸せを感じることができるような相談員になっていきたいです。まだ入職したばかりなので日々勉強ですが、頑張ります!