集中治療室から、訪問看護へ。転職1年目で感じた在宅医療ニーズ

集中治療室から、訪問看護へ。転職1年目で感じた在宅医療ニーズ

看護師として病院で何年か経験を積んでいくと、誰しも「ずっと今のままでいいのかな」「この先のキャリアはどうしよう…」などと悩むタイミングがやってくると思います。

ソフィアメディの訪問看護師として新たなスタートを切った、入社1年目の看護師Iさんもその一人でした。今回は、彼女が転職前後に考えていたことや、訪問看護師として働き始めて気づいた気持ちの変化などについて聞いてみました。

これから訪問看護にチャレンジしてみたいと思っている方や、今後のキャリアに迷っている看護師の方にとって、参考になれば幸いです!

(※記事の内容は2021年8月取材当時のものです。)

<プロフィール>

■I.Mさん/看護師

横浜にある総合病院の集中治療室で、看護師として5年間勤務。新たな環境とさらなるステップアップを求め、2021年4月にソフィアメディへ転職。現在は5月にスタートしたばかりのステーション六郷にて、訪問看護師として勤務している。趣味はダイビング。コロナ禍以前は、沖縄などへよく潜りに行っていた。

「何があってもすぐ相談できる。」その心強さで不安は消えた

──未経験で訪問看護の世界に飛び込んだIさん。初めての訪問看護に、不安はありませんでしたか?

Iさん:うっすら「オンコールがある」という知識はあったのですが、どのぐらいの頻度でどういうふうに対応するかなどは全然知らなかったので、そこは少し不安でした。

また、私がずっとやってきた急性期の医療とは違い、在宅医療はいわゆる慢性期の分野です。疾患の種類や処置の方法も全然違うので、新しく勉強しないといけないことがたくさんあるだろうなという覚悟はしていました。

──実際に働き始めてみて、そうした不安は解消されましたか?

Iさん:管理者さんが本当に親身になって相談にのってくださるので、今はなんとかやれています。

オンコールも、入社当初は緊張して夢に出てきたりもしましたが、今では不安も少なくなりました。最初のうちに、管理者さんが「何かあったら、いつでも電話してくれていいから」と言ってくださったのが、すごく心強くて。「何かあってもすぐ相談できる」と思えたのが大きかったですね。

管理者と二人三脚で、多くのことを学ぶ日々

──入社当初から新規立ち上げステーションに配属されたと伺いました。ステーション内でのコミュニケーションや雰囲気はいかがですか?

Iさん:まだ看護師は管理者さんと私の2名しかいないので、お互いのお客様もだいたい把握していて、共有や相談も密に行っています。「ここはこうしたほうがいいんじゃない?」とアドバイスをいただくこともありますし、訪問の姿勢など、管理者さんから学ぶことも多いです。

その管理者さんは、「その人のために」という気持ちが強く、人に対する優しさに溢れていて。今の私には到底考えられないようなところまで配慮して行動されているので、「まだまだ追いつけないな…」とよく思っています。でも、訪問看護師として「私もこういうふうになりたい」という像が身近にいる今の環境は、とてもありがたいです。

「慢性期のケアを含む幅広い症例を経験したい」と、病院から訪問看護の世界へ

──では、総合病院で5年間勤務し、そこから訪問看護にチャレンジしようと思ったキッカケは何でしたか?

Iさん:私はずっと心臓系の専門ユニットにいたのですが、心不全などの患者さんは入退院を繰り返して徐々に病状が悪くなっていく方が多くて。そうするとご自宅に帰ってからの生活が重要になるので、「退院後の生活を含め患者様を看たい」と思うようになりました。

また、病院では急性期の経験を積んだのですがもう少し慢性的なところを含む幅広い症例のケアをを学びたくて。それで訪問看護を選びました。

──数ある事業所の中から、ソフィアメディを選んだ理由は何ですか?

Iさん:転職サイトを使って仕事を探していたときに、「母体がしっかりしていて良いですよ」とオススメされたのがソフィアメディでした。自分でも調べてみて、ステーションの数の多さに驚き、「たしかに、これだけ大きなところなら安心だな」と思いましたね。

また、ホームページに前職の先輩が載っているのを偶然見つけて。以前その先輩から「訪問看護、いいよ」と聞いていたのですが、そこがソフィアメディだったとは知りませんでした。その事実も、転職の決意を固める後押しになりました。

働き始めて気づいた、訪問看護ニーズの大きさ

──入社前後のギャップや驚いたことなどはありましたか?

Iさん:思った以上に「病院ではなく自宅で過ごしたい」と思っている方が多いことに驚きました。「世の中には、こんなに在宅医療を必要としている人がいるんだな」って。

病棟の看護師をしていた頃は、患者さんとは入院中の関わりしかなく、退院された方が普段どんな生活されているかなどは全然知りませんでした。でもこの仕事を始めて、「やっぱり家での生活は大切なんだな」「退院後もサポートが必要なんだな」と思うようになって。「訪問看護師という職業は、これからもっと必要になってくるだろう」という実感も湧きました。

── 働き始めて感じる、訪問看護のやりがいはどんなところですか?

ご自宅ではお客様自身がルールになるのでお客様の希望を尊重することを大切にします。そうやって、お客様の想いに寄り添い、望んでいることを一緒に実現できるのが、訪問看護の良さなのかなと思っています。

──お客様の希望を叶えたい気持ちと医療的な視点の間で、判断を迷うことはありますか?

Iさん:私たちはボランティアで来ているわけではないので、「看護師としての役割をきちんと果たす」という意識を常に持って臨んでいます。だから、お客様に「こうしたい」と言われたことに対し、医療者の目線で「それは適切ではないと思います。なぜなら…」とご説明することも。お客様の意思は最大限に尊重しつつ、専門的な観点からお話ししてご納得いただけるように努力しています。

──ソフィアメディのVission・Mission・Spiritsを体現するために、日々意識していることなどがあれば教えてください。

Iさん:Vission・Mission・Spiritsを実現できるようにお客様と接するというよりも、看護師としての本来の役割を果たしていれば、自然とVission・Mission・Spiritsを体現することに行き着くのかなと個人的には思っています。ですので、それを言葉にしてくれた、という感覚です。

訪問看護の経験は、今後の人生にとって大きな糧となる

──訪問看護師になってから、ご自身の心境に何か変化はありましたか?

Iさん:私が入社後に思ったのは、「病院の中だけでは、看護師の仕事は完結しない」ということ。在宅医療で色々な人と関わることで、看護師としてさらにスキルアップが図れると感じています。ここでの経験や身につけた知識は、今後の看護師人生にとって大きな糧になりそうです。

──訪問看護はズバリ、どんな人に向いていると思いますか?

Iさん:さまざまなお客様の生活圏内に入っていく仕事なので、人との関わりを楽しいと思える人や、どんな環境にも順応でき、いろいろなことを受容できる人に向いていると思います。

──訪問看護未経験で転職を悩まれている方にとって、Iさんの経験談はとても参考になると思います!素敵なお話をありがとうございました!